【映画】観るんじゃなかった けれど 観てよかった【怒り】

映画「怒り」

少し前の作品ですが

劇場公開されたのは2016年なので、2年前の作品です。

なぜいまレビュー? ですよね。でも、書きたいことを書きたいときに書けるのがブログの良さなのかなと思っているので、このスタンスでいきたいと思います。

※以下、ネタバレあります。

内容は

住宅街でおきた、ある殺人事件。犯人は逃走中。

「 住所不定の男 ”東京編” 」
「 年齢不詳の男 ”千葉編” 」
「 無人島に籠る男 ”沖縄編” 」

綾野剛、松山ケンイチ、森山未來。この中に犯人はいるのか。

ミステリー色を含みつつ、3つの都市を舞台に話がすすみます。

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観賞直後の感想は

この映画は当時映画館で観ました。

劇場を後にした時に、心につぶやいた言葉は

「観るんじゃなかった」

でした。

なぜならエネルギーの消耗がすごかったから、です。

この子が話題の

「広瀬すず」という女優さん。名前は目にしたことはあるけれど、この映画を観るまでははっきりと認識をしたことがなく、はじめてみるその姿に「華があるなぁ。売れっ子になるわけだ」とひとり頷いていました。

そんな印象を受けた分、中盤、この役が迎える展開になんとも言えない気持ちに。

この映画で観ていて一番きつく、どんよりとした気持ちを数日引きずりました。席を立ちたいとすら思いましたから。

「女優」として認識していなかったぶん、「一人の女の子」として受け取めてしまう度合いが高かったからかもしれません。

まるで誘導しているかのようにフラフラと夜道を彷徨う辰哉に”怒り”。まぁ、演出上の話だけれども。

誰にもそれは潜んでいる

人生は「いかに切れずに歩み終えることができるか」という部分があると思うのです。

犯人である人物の「キレル」沸点は低く、容易にスイッチが入ります。

それは観客としても観ていて気持ちのよいものではなく、眉をひそめます。

と、同時にゾワッとしました。

「キレル」は自分の中にも存在しているからです。

それでも自分も含め、大半の人はそれを外に出すことなく、綱渡りをするかのごとく用心深くコントロールし、手なずけ生きていきます。

さまざまな怒りが観るものの身を突く

ひとを信じ切れなかった自分への怒り
ひとを信じてしまった自分への怒り
自分を信じ切れなかった自分への怒り
自分を信じてしまった自分への怒り

この映画はいたるところに、さまざまな怒りが錯綜しています。

 

その怒りが自分のなかでおさまりきらなかった時。「事件」は起きます。

 

この映画の住宅街の一つ目の殺人。これは誰がどう見ても犯人が「悪い」。

そして、無人島の二つ目の殺人。こちらはどうでしょうか。

「殺人」はしてはいけないことですが、「動機なんて関係ない」とは言えないのではないか。同じ「殺す」という出来事でも、見方によって立場によって(時代によっても)、違う解釈になるのではないか。

実行してしまった「彼」は、彼自身の人生も、そのまわりのひとの人生も、自分で殺めたことになります。

それでも、行為にいたってしまった彼。その心情は観客もわかるだけに、複雑な感情が残ります。

追記:この映画は「動機云々」は主題ではありません。脇道にそれた私の個人的な感想です。

藤田優馬の部屋に釘付け

この映画。インテリア的にも、ちゃっかり収穫がありました!

それは藤田優馬(妻夫木 聡)の都内マンションの部屋。これがまぁ、お洒落で。ニューヨークか! と。

都内において、あの広さと間取り。あんな暮らしができたらさぞ快適でしょう。

いったいいくら稼げばあの住まいに入居できるのだ??

「大手通信会社に勤めるエリートサラリーマン」という役だけども。

家賃は月の手取りの3分の1以下にするべし、という基準が一般的に言われているけれど、あの部屋だと20~30万くらいしそうだ。

住宅補助が手厚い会社なのだろうか。それとも月給60万くらいもらっているのか?

母親も入院しているから出費もかさむと思うのだが。

 

インテリアってようは室内という「箱」をどう演出するかだと思うのですが、どう頑張っても変えれれない場所があって、それは天井の高さと建具かなと。

とくにマンションは窓を勝手に変えることは出来ないハズ。

となると、あのシツラエがもともとあるマンションはやはり高い家賃であろう。

 

なーんてことを、心を痛めながらも同時に考えていたわけです。

だって、あの部屋、とっても良かったんですもん。

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まとめ

力のある役者たちの演技に、場の濃度が増します。

マグマに顏を近づけられたような、熱さと痛みを感じました。

映画鑑賞的体力がないときに観るのは正直しんどいかな。

 

ですが、「救い」も描かれています。

起きてしまったことは変えられないけれど、そこから変えていけるのも人間です。

 

観るんじゃなかった、けれど、観て良かった。そんな映画でした。

 

なんで重たいであろう「怒り」を観たんだっけ? と。そうだ、「悪人」を撮った李 相日監督だから、これは足を運ばねばと、そう思って観に行ったのでした。

満島ひかりを観て「この子なんなの。この子なんなの。この子なんなの」と独特の存在感に驚いた記憶があります。これまた映画鑑賞的体力のいる作品ですが、刺さる映画です。

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