矢部太郎著 8コマ漫画「大家さんと僕」 友達に年齢制限はない

本を知ったのは5時夢で

「TOKYO MX」という関東ローカルのテレビ局で放送している「5時に夢中!」。その番組内の「中瀬親方のエンタメ番付」というワンコーナーにて、矢部太郎著「大家さんと僕」(定価1,000円〈税別〉)を紹介していました。

「親方」こと中瀬ゆかり氏は「週刊新潮」の出版部部長を務めている方。この本は新潮社の発行なので、新潮繋がりだから推しているのかしら?と若干邪推しつつも、親方の軽妙且つ説得力のあるトークで購入するにいたりました。

ちなみにこの中瀬さん。ものすんごく魅力的な人です。話術もさることながら、コメンテーターとして見当違いなコメントがなく、心にズバンとくる言葉がビュンビュン飛びだします。ユーモアもあって喋る言葉がつくづく面白い。憧れる女性のひとりです。

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内容は

引っ越しを余儀なくされたお笑い芸人の矢部太郎さん。次に借りたのは新宿のはずれにある木造二階建て一軒家の二世住宅の二階部分。一階には大家さんである87才のおばあさんが住んでいます。

はじめこそ大家さんとの近すぎる距離感に戸惑う矢部さんですが、次第に仲良くなり旅行まで一緒に行くようになります。

年齢差およそ50才の二人のエピソードが8コマ漫画で綴られています。

読んでいる30分間、ほんわかしました

漫画なので読書時間は30分ほど。その間、じんわりと小春日和のような温かさを胸に感じます。

こういった年齢も性別も超えた友達関係もあるんですね。

日本は「年齢の呪縛」が強い気がします。年齢差がある場合、遠慮してしまうのは年上の方だと思うのです。だからこの二人は「おばあさんを受け入れる矢部さん」はもちろんのこと、「はるか年下の矢部さんと交流をはかるおばあさん」の度量が大きいから続いている関係ではないかと思いました。

決してお年寄りが若者に頼り切った構図ではなく、矢部さんは大家さんに、大家さんは矢部さんに、頼ったり頼られたりで、それがその人の存在の意義となり充足感を与え互いの世代の話を聞くことで刺激も得られる。winーwinの関係ではないですか!

大家さんが時々呟く戦争のエピソード。時代に翻弄され、個人の意思など通せなかったであろうことを感じさせられます。

矢部さんも大家さんも「優しい」です。優しさは強いですね。

ほんわかした絵柄でこれが初漫画とは思えない完成度。作者紹介に「父親は絵本作家のやべみつのり」とあったので、絵の才能は血筋なのかもしれませんね。

まとめ

こちらのサイト「ほのぼの8コマ漫画」が15万部のヒット作となったワケ(ラリー遠田)に矢部さんが漫画を描いた経緯についてのインタビューがあります。作品に至る経緯がわかるので、この作品に興味があるひとは是非ご一読を。

新宿の京王プラザホテルにご飯を食べに大家さんと出かけた矢部さん。そこで漫画原作者の倉科遼さんを見かけ挨拶したところ、大家さんのことを祖母だと思われたとか。(ふつうそう思いますよね)「いやいや大家さんですよ」と説明すると「それは面白い!二人の話を書きたいからプロットもってきて」と倉科さんに言われ、後日4コマにして持って行ったところ「これはいい!本にしよう」という流れになったとか。

漫画を描くうえで、やっぱりプロの編集者にアドバイスをもらおうと思いまして、新潮社のウェブ漫画サイト『くらげバンチ』の編集長で、『月刊コミック@バンチ』副編集長の折田(安彦)さんを訪ねたら、「4コマは難しいんです、オチにエッジがないとダメなので。でも8コマだったらもう少しゆったりと話を進められるから、8コマにした方がいいと思います」と言っていただいたんです。確かに、4コマだったらこの空気感は出せなかったでしょうね。

「ほのぼの8コマ漫画」が15万部のヒット作となったワケ より引用

倉科遼さんと遭遇したこと、折田安彦さんにアドバイスをもらえたこと。偶然なのか必然なのか、こういった積み重ねがあって世に出た作品なんですね。

作中に出てくる素直で素敵な後輩芸人の「のちゃーん」。「サンクスエックス」は持ちネタなのかな。ネットで検索したら漫画の通りギャル男でした。笑

大家さんが新宿伊勢丹までタクシーで行って購入する伊勢丹の明太子。いち度、食べてみたいです。

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