「カメラを止めるな!」これは観たらススメたくなる映画だわ

この夏一番熱い映画

メディアや口コミで話題の映画「カメラを止めるな!」。

300万の低予算で作った映画が高評価につきロードショー拡大中。

おもしろいといった評判が方々から聞こえてくるので気になっていましたが、下手にネット検索するとネタバレにあう危険性があるので鑑賞するまではなるべく余計な情報を耳にいれないよう目にはいらぬよう気を付けました。

シネコンで鑑賞しましたが大きい箱で8割ぐらい席が埋まっていて観客の年齢層も広かったです。

それではホヤホヤの感想をお届けします。

おもしろかった!

これだけ前評判が良いとハードルもおのずと上がってしまうもの。

さぞ楽しませてくれるのだろうな、と謎の挑発感と期待をたずさえて鑑賞したわけですが、

あれま! ふつうにおもしろい!

そして

なるほどね! あっぱれ。

と、これは映画館で観てよかったと思いました。

この映画が気になっている方は是非鑑賞をおススメします。

上映回によっては売り切れもあるので、事前にネットで席を確保していく方が安心です。そして夏休みということもあってチケット発券機も長蛇の列だったりするので、時間に余裕をもって劇場につくこともお忘れなく。

なるべくまっさらな状況で観たほうが良いので、これから鑑賞予定のひとは当ブログを読むのはいったんここでストップして鑑賞後にお読みくださいませ。

以下ネタバレあり。

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華麗なる回収

前半に繰り広げらるワンカット撮りのゾンビドラマ。要所要所に違和感を感じながらもドラマとしては成立してますが何か変。

このまま終わるわけもなく果たしてどんな展開が待っているのかと、ここからが一番の関心事。

で、ですね。

後半は歯間につまった食物繊維を歯間ブラシで掃除するかのごとく、ひとつひとつ違和感が回収されていきます。

ワンカットゾンビドラマでみせる戸惑うくらい強すぎるきらいのあるクレイジー一歩手前の映画監督の演技は、積もり積もったうっぷん晴らしを兼ねてたのだとわかったときの爽快感。

「若手俳優によくぞ本音を言った!」と二重の意味でスッキリ。

その後も次々と明かされる舞台裏にニマニマがとまりません。

肩車の伏線回収もいやらしさがなくて、そういったさじ加減が抜群にうまかったです。

無名という強み

メジャーな役者がいないせいか、ニュートラルに観れました。

色がついていないメリットというか。それがより一層この作品に効いています。

監督もキャストもメジャーであればあるほど「この人が作っているのならばこういうテイストに違いない」とかノイズが入ってしまいますからね。

テレビプロデューサー笹原芳子役の竹原芳子さんが醸し出すパワーに一瞬で取り込まれました。なんかもう「敵いませんなぁ」って感じで彼女が映るとニンマリしちゃいました。キャスティングの妙ですね。

いろんなことの板挟みになる監督の「困っちゃったな」という表情がなんとも良かったです。

話はそれてしまいますが、ドラマ界においても「登場人物全員無名」から始まる作品があっても面白いんじゃないかなって思います。

つめてある脚本

ワンカット生放送という制約を設けたことで「~でなければならない」という枠が生まれそれがうまく機能しています。というかそれを狙ったそれありきの作品ですが。

ストーリーを進めるうえで、必然さってとても大事で。

これがうまくいかないと登場人物がやたらバッタリ遭遇するシーンがあったり、ご都合主義的な展開になってしまったりと不自然になってしまいます。

そこら辺の「動機 → 行動」が非常に丁寧に練られてます。

大人だって未熟なんだ

この映画の登場人物に完璧な人間は一人もいません。

突き抜けられない中間管理職ポジションの監督
芝居に熱中すると制御がきかない妻
口で失敗する娘
口の減らない若手俳優
演技をなめてる若手女優
酒に飲まれる再現ドラマ俳優
軟弱ながらも見せ場にこだわる俳優
お腹よわよわ俳優
いい加減なラインプロデューサー

とね。

逆に言うとまともな人たちが集まったらハプニングが生まれなかったってことです。

普通に空気読んじゃったら監督の娘みたいな行動はとれませんしね。

人間ですから、ちょっとこだわったり、ちょっとズレていたりで当たり前。そんなところにおかしみがある。

みんなどこかしら「あれ?」な部分がありながらも「投げやりな」人はひとりもいなくて。日々ギャップを感じながらも生きていくしかないもんね、って登場人物の誰かに自分を重ねたりできるのではないかな。

ちなみに私が一番「わーかーるー」と感情移入できたのはお腹の弱い「メールしましたよね俳優」の役。

廃墟での撮影ということで事前のトイレの有無確認はおおげさでなく腹弱人間には把握しておきたい項目です!(超切実ですから)

「ちょっと…、ちょっと」
「ちょっとってなんだよ!!!!」は最高でした。ある意味一番怖いシーンかも。行動が謎すぎて不気味さが際立ってましたもの。(謎解きシーンの「泣くな」はブンブンブラウが頭に浮かんだひとも少なくないのでは)

ラストの人間ピラミッド。愚者たちへのエールか、人間捨てたもんじゃないよね的かつ成長を描いた後味のよい終わり方でした。

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ジャパニーズドリームは存在していた

ちゃんと面白いものを作れば上映館も増えて多くの人が映画館に足を運んでくれる。

客が増えれば映画館の収益も増えるので当たり前のことかもしれませんが、ここまでロードショーが拡大するなんて珍しいことなのではないでしょうか?

日本のエンタメも希望があるのだと思えました。

【追記】上田慎一郎監督が出演したテレビ番組にて「ロードショーが拡大しても興行収入は監督や俳優には還元されない」とおっしゃっていました。

想定外の大ヒットで監督も俳優も「顔が売れ評価された」だけでもありがたいという事実はあると思いますが、それにしても夢がなさ過ぎる…。

契約の問題とか、今までの収益分配のシステムとか、赤字の場合はどうするんだとか、いろんな事情はあるのかもしれませんがもっと現場の人間にお金が回ってくるようにはできないものなのでしょうか。

せめて金一封、いや帯付きの札束がキャストやスタッフに渡ればと外野ながら願います。

最後の感想は「うらやましー」

後半部分とエンドロールのメイキング部分を観るとですね、

チームっていいなぁ

って、この映画作りに携わった人たちにうらやましさを覚えてしまいました。

映画づくりにほとばしるエネルギー。そうした熱意が伝わってくるのも非メジャー作品ならではかもしれません。

「わはは」「くくく」「シシシ」と肩を揺らして笑っちゃった本作品。鑑賞中の顔は人に見せられないってぐらい普段使わない表情筋が動きました。楽しかったぁ。

最後に。

助監督ゾンビを廃墟から追っ払うために、メイクさんが「ソーレ取ってこい」と犬に投げる骨ばりにもげた腕を遠くに放るシーンがお気に入り。

「趣味がない」とか「ポン!」とか「三連飛び蹴り」とか「なにあれ」とかメイクさんがらみのシーンがツボってジワリました。

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