Netflixドラマ「火花」を一気に10話観たのでその感想

原作は読んでませんが

芸人、又吉さん著書のベストセラーとなった小説「火花」。

ネットフィリックスがドラマ化したものを観ました。全10話です。

ネタバレ含みますのでご注意を。

*思い違いしているところがあったらご容赦くださいませ。

 

ストーリーをざっくり2行でまとめると ↓

売れない芸人の徳永。
営業先で出会った先輩芸人の神谷に心酔し…。

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チャンスを逃してることがあっても、その時って意外に気づかない

この作品のモヤモヤポイントのひとつ。

それは林遣都演じる「徳永」の人付き合いの悪さ。

・ラジオ番組にゲスト(というか2分間のネタみせ)に呼ばれた際、収録ギリギリに酒臭い状態で現場に入る徳永。

→→→ なぜなら、先輩芸人である神谷との飲みに付き合っていたから。

 

・単独ライブの打ち上げに参加しない徳永。

→→→ なぜなら、神谷と飲みたいから。

 

・権力があるであろう人からの飲みの誘いを一度受けるも「やっぱ止めます」と踵を返す徳永。

→→→ なぜなら、神谷と飲みたいから。

 

・テレビ局員がオサレなお店で飲み会の場を設けてくれるも、「風邪をひいてる」と早々に帰る徳永。

→→→ なぜなら、神谷と飲みたいから。

 

って、ぅおおおおおぅい!!!

正気か、徳永。売れる気あるのか、徳永。

「風邪ひいた」なんて嘘ついても、「〇〇で芸人の徳永がいた」とどこでだれにツイートされるかわかったものではないから、嘘バレちゃうかもじゃん。て、思いましたがSNSが活況になる前の時代のはなしなのでその心配は無用でした。

とにかくこれらの行動を見るに、いくつものチャンスを取りこぼしているわけですよ。それは徳永の信念なのかもしれないし、思慮が浅いだけかもしれない。

 

会いたくて会いたくて会いに行く。

これでもかと、神谷を優先させる徳永が観ていて歯がゆい。

 

でもですね。この徳永は23才。

そのころの自分はどうだったかというと、徳永と同じように取りこぼしていました。

タイムマシンに乗ってそのときの自分に会えるとしたら

「もっと貪欲になれ!」と伝えたい。

(ただしタイムマシンに乗れるのが一度きりだとしたら、もっと違うことに使います)

今思えば、アッチにもコッチにも顔を出しておけば交友関係も世界も広がったかもしれないなぁ、なんて。とにかくノリがよろしくなかったのです、当時。(今もだけど)

でも、まぁそれはそれで仕方なかったとも思うのです。その時それに気づかなかったのも紛れもない「自分」なので。

だからこそ、徳永がモドカシイ。

でもやっぱ、あんなものなのかもしれないな。その辺を器用に立ち振る舞うことのできる人物だったら話自体変わってしまいますものね。

「又吉=徳永」?

「芥川賞受賞した作品で芸人の話で落ちが〇〇」ぐらいしか小説の火花に関する情報を知らなかったのですが、「徳永は著者である又吉さんを投影している」はみなさんご承知の大前提だったりするのでしょうか?

林遣都演ずる徳永をみているとしゃべり方といい姿勢といい、又吉さんが憑依したかのようなシンクロ率を感じます。

間のとり方、歩き方、熱意の質感までソックリ。

林遣都さんの演技を観たいという動機が本作品を視聴した最大の理由なわけですが、役者さんてスゴイですね。

こじらせの極致

さて、主人公徳永が崇めてやまない先輩芸人の神谷。

徳永と神谷で何度も交わされるメールは、笑いの基礎体力を鍛えるかのごとくヒネッた文言が行き来します。

徳永があれだけ慕うのだから、おそらく神谷は何か魅力があるのでしょう。

ただ、ドラマで見た限り神谷に「他とは違うなにか」はあったとしても、「特別」なものは感じません。まぁ、本当に光るものがあったら彼は陽の目をみていると思うので、ある意味この描き方で正解なのかな。

神谷は自分のなかでの「芸人の美学・芸人のロマン」にがんじがらめになっているようにみえました。

お笑いの枠を壊し、周りとは違うこと、より尖ったことを求め、笑いに対する熱量は多分にある。

けれど、彼が周りにあたえる印象は総じて良くはなく、どこまでが計算なのかはわからないけれど、

「なんかこの人イヤ」

と人に思わせてしまう。そんなイメージを持たれる人間を世間は求めるであろうか。

 

思うようにいかない神谷はついに「あの姿に」変身をとげるわけですが

 

究極のこじらせ、ここにありです。

 

自分の怒りや滞りを、何かを痛めつけることで他者にアピールする。

その痛みが大きければ大きいほど、効果があると思っている思考回路はまるで思春期の子供のようで。

今回の神谷はその「痛み」が自分に向かったわけで。

痛々しくってバカバカしくって、救いようがない。と、言い切ってしまうと本当にどうしようもないので、彼には徳永という「か細いタイボク」がいる。それでよい。

それにしても、あれ。CGなのか特殊メイクなのか、よ~く出来てましたね。

最後の落ち。せっかく原作未読だったのだから知らずに観たかったです。芥川賞受賞当時、ネットの書き込みでネタバレを見てしまったのが悔やまれます。

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登場する女性が全員やさしい

プライベートのシーンには、剣のある女性がひとりも出てきません。

女性たちは穏やかで、髪を切ってくれたり、ごはんを作ってくれたり、鍋を取り分けてくれたり、応援してくれたり、生活を支えてくれてたり。

男性はこういう女性だとホッとするのかな。願望を具現化したらこういう描写になったのか、それとも又吉さんの周りにはこういったタイプの女性が多かったのか。

著者本人と作品は別モノなのかもしれないけれど、そうなのかしら?と思ったもので。

 

そんな女性のひとりに相席スタートのケイちゃんが出演していました。なぜかちゃん呼びしたくなる。でも、失礼なので以後ケイさんと呼びます。

上京してきた神谷が転がり込んだ家の家主。二人目(二軒目)の女性をケイさんが演じています。

眼鏡をしてなかったので「あれ? 似てる。似てるけども」とはじめは確信がもてなかったけど、あの声はやはりケイさんでした。

これまた絶妙なキャスティング。

「ちょうどいい感じのブス」がキャッチコピーの彼女。その感じがですね。一人目の彼女とのギャップがあってなんかリアルでした。

*ちなみに人生において「ぶす」という単語を使うことはほぼないです。こうやって書くのも抵抗がありますが、これは彼女が自ら発していることなので書きました。

山崎ケイさん、いいですよね。あの「美人に見せる雰囲気」はかなーり高度な能力です。あれって天性のものなのか。それとも学びで身につけられるものなんでしょうかね。

それとケイさんはやっぱり眼鏡をかけていたほうが美人度が高いです。

 

そしてもうひとり気になる女優さんが。

徳永が所属する事務所の社員役を演じる菜葉菜さん。普通っぽい役ができる女優さんです。NHKドラマの「徒歩7分」にも出演されてました。このドラマもオススメですよ。

ほかにも良かった、こんなところ

徳永行きつけの喫茶店。ああいうのって憧れます。

家で飲んだほうが節約になるとか思ってしまうんですよね。そもそも家の近くに喫茶店がないというのもありますが。

あとは、徳永が所属する日向企画という芸能事務所のほんわかさ。あんな空気の事務所って実際にあったりするものなのでしょうか。

とろサーモンの村田さん、溶け込んでましたね。逆に今田耕司さんは唯一「芝居をしている感」が出ていました。(笑)

エンディングの歌もよかったです。

こんな贅沢なドラマってある?

ひじょうに丁寧に作られた作品です。

10話というスコブル十分な時間をとって映像化してくれるなんて、作者にとってこんなにうれしいことってないんじゃなかろうか。

途中、ちょっと長すぎる感のシーンも数か所ありましたが。

花火大会のシーンも含め、チープさを感じさせる場面はひとつもありませんでした。こだわった構図に淡々とすすむ落ち着いた展開。そして映像が美しいです。

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ネットオリジナルドラマに期待

ネットフィリックスはCMがないところも利点のひとつですね。

ほかにも予算が潤沢にあったり、キャスティングにおいても民放とは条件が違ったりするのでしょうか。

ネットフィリックス独自の強みを生かした作品を今後も期待しています。

いろんな才能を持った人にじゃんじゃん活躍してほしいです。

もうちょっと加入していようかな

ネットフィリックスに加入直後はいろんな動画を視聴していたものの、ここ数カ月はログインすらしていませんでした。

毎月のクレジット利用履歴に記載される視聴料の「702円」。

たかが702円、されど702円。
もったいない。けれど、見たいものが出てくるかもしれないから解約は見送ろう。といった感じでズルズルと加入し続けていました。

今回「火花」を観たことで、今月分の元はとったなと満足です。(月額の支払いなので、月単位で損得を考えちゃいますね)

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