【小説も読んでみたい】酒井若菜さんは良い文章を書く人だと知りました

酒井若菜 著「酒井若菜と8人の男たち」を読みました

酒井さんが出演されている作品は「木更津キャッツアイ」「終電ごはん」「恋の門」などを見たことがあります。

CMではじめて見た時は、おとなしめのイメージだったのですが、女優を目指す人がそんなわけがなく。

『人があげる「好きな女優」に自分の名が入ってなかったらくやしい』

といった記述を読み、基本的にこのぐらい自信がないと女優はやっていけない仕事なのかもしれませんね。

2005年の開幕直前に降板した「キレイ」という舞台。「どうしてもこの役がやりたかった」とネットで読んだ記事が印象深く、その舞台を降りるだなんてよっぽどの事情があったのだろうと思った記憶があります。

舞台の酒井若菜を期待していた人も多かったはずです。

そして、この降板により本人が痛手を被ったであろうことはたしかで、それまで築き上げたものが大きければ大きいほど、その落差はすさまじかったと本に書かれています。

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対談する8人の男たち

この対談集にはタイトルの通り、8人の男たちが登場します。

◆ マギー
◆ ユースケ・サンタマリア
◆ 板尾創路
◆ 山口隆
◆ 佐藤隆太
◆ 日村勇紀
◆ 岡村隆史
◆ 水道橋博士

ほぼほぼ共通しているのは男性陣が「こんな風に話ができる、こういう関係性をもった異性は酒井若菜しかいない」と言っているところ。

そんなのろけとも取られかねない内容が、抑えることなく書き綴ってあります。

だってこの本はそこを遠慮しちゃったら成り立たない本ですからね。相手との関係性を世間に披露するとしたら、さらけ出すしかありません。

ただそれが、鼻持ちならないわけではなく、鼻白むわけでもなく、「あ、そうだろうな」と抵抗なく読み進められます。

全416ページとボリュームがあり、どの対談もそれぞれの「男」のカラーが出ていて興味深いです。

「あれ? なんで時間を割いて人の交遊録を読んでんだろ? 」とふと我に返ることもありました。男女に友情が成立するか否か、「否」と思っている人には多少胸やけをおこすかもしれません。

ふたりだけの声と文字

一番驚き読みごたえがあったのは、お笑い芸人の岡村隆史さんとの対談です。

岡村さんが休業していた時のことがどこよりも詳細かつ鮮明に書かれています。それというのも岡村さんが復帰するまで支えていたのが、他の誰でもない酒井若菜その人だったからです。

 

心が弱まり、どうにもならなくなる

 

誰にだって可能性のあることです。まして芸能界という常にプレッシャーがあるなかで、一線にい続けた彼はいつ爆発してもおかしくなかったのでしょう。

そこに一度は交友を絶った酒井若菜が現れます。(絶縁の理由は双方の誤解だったようです)

それはひょっこりといった偶然ではなく、彼女自身の闘病を踏まえ緻密に考えられたうえでの働きかけでした。

 

メールと電話で日々重ねられるやり取り。

「いつ出口にたどりつけるのか」そんな時間をふたりは共有します。それはもうお互いにキツイ時期だった思います。人によっては出口が見つかるまで、相当の時間を要する場合もあります。

 

無事に岡村さんは表舞台に復帰しました。

サラッと書いちゃいましたが、まさに地獄の苦しみで、それは「死にたい」というより「消えたい」「解放されたい」「シンドイ、イタイ、キツイ、クルシイ」という症状との戦いだったのではないでしょうか。

二人の対談を額面通りに受け止めれば「酒井若菜が岡村隆史を救った」ことになります。けれど、「岡村隆史の病が酒井若菜を救った」面もあるのだろうな、と。

人を助けることで、助けられる人は助ける人に対して「助ける役目を与えてあげた」ことになるからです。必要とされることはうれしいことです。それはいいように使われているとか利用されているとかではなく。

二人で交わされた文字と声の時間は、何物にも代えがたい唯一無二の宝物になったのではないかと思います。

すごくいい文章を書く人なんだな

この本を読んだ一番の収穫。それは対談そのものではなく、対談後に差し込まれた各対談相手との思いが綴ってある彼女の文章です。

その文体がとても心地よく、発酵したパン生地のようになめらかで自然で柔らかい。

この対談集、ハンバーグで例えると、主となる肉は間に挟まる酒井若菜の文であり、つなぎとなる卵が対談だったりして。そう思ってしまったくらい、良い文章でした。

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これからも精神的つながりは続いていくのでしょう

きっと彼女はひとりの1分の1を得るより、100人の100分の1をあつめて100とするタイプなのではなかろうか。

男たちとの関係は、酒井さんが独身という点も少なからず影響しているのではないかと。彼女に伴侶がいれば他の面々は遠慮もあって会う機会は減っていくでしょうし、酒井若菜の庇護者としての役目を終えることになります。

対談の男性たちとは長い付き合いですから「そんなことで薄まる薄っぺらな関係ではない」とは思いますが。

あのスタイルの良さとルックス。異性として横にいてくれたら嬉しい存在でしょうし、おまけになついてくれたら、男性はデヘっとしちゃうよな、なんて。もちろん内面に惹かれてこその関係性だとは思います、思いますよ。

「くよくよしたって始まる」

これは水道橋博士の人生のスローガン。

くよくよしたって始まる

いいですね。これ。

 

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